【コンサルタントの使い方(アウトソーシングについて)】
  〜経営技術の1つです。〜


● コンサルタントの使い方について、かなり混乱があるように見受けられます。 
 間違った使い方をされる場合の分類をしてみると、次のようになります。 

 (1)単に、新たな技術者を雇い入れたように見る人、この場合、時間給のようにコンサルタント料金を考えます。

 (2)外注として見る場合、広告代理店のように出来上がったものを要求してきます。

 (3)単なるアドバイザーとしてみている場合、アドバイスによって成果が出ることを求めます。 
 確かに、アドバイスによる成果が求められるのですが、実行するのはアドバイスを受けた立場の人であるにもかかわらず、実行せずに成果が上がらないと言い出すのです。  アドバイスをその通り実行する人はまれで、必ず自分流の解釈に基づいて自分の好きな部分だけ実行しようとします。 ですからアドバイスに対する理解度が問題となります。 
 この(3)の例が最も多くをしめます。

では、どのようにコンサルタントを使うことが大きな成果を上げることになるのでしょうか。

 @“どのような商売をすべきなのか”のアドバイスを受ける。 
 自分の、すでにあるものを活かして、どのような商売をすることが良いかのアドバイスを受けるのです。 全体像を見通してどのような組み立てが良いのかとことん意見を聞いてみます。 大枠から詳細のことまで、ある程度見通してみます。 しかし、ここで確定はしません。 

 A“商売を実現するに必要な機能”をすべて挙げてみる。 必要な技術の投入するべきタイミングも予想してみる。
 この段階ではコンサルタントのアドバイスが非常に有効であることがわかってきます。

 B“必要な機能をどのようにして揃えるか”を検討する。
 自分ですでに持っているもの、自分でそろえられる機能を挙げてみます。 これはよく考えてみると、意外に少なく、会社としての機能が虫食い状態のように揃っていないことに気付くはずです。 このまま進めれば、行き詰まることが明白に感じられるはずです。 この時、自分のやりたいとの思いだけが先行してしまい揃っていない機能が見えてこない人は、事業は中止すべきです。 少なくとも、機能が欠けていることは明白に意識できることが必要です。 後で揃えるとしても、欠落したままでは危険であることを意識できなければなりません。 機能の欠落を意識できない人は全体像が見えていないことでもあります。 この悲劇は何度も見てきました。

 C“いつまでにその必要とする機能をそろえなければならないか”をある程度見定める。
 これには資金量との兼ね合いが絶対条件となります。 無限に資金を用意できない以上この時間との戦いが最も重要になります。 資金だけでなく、商品の陳腐化、協力する企業や人などとの兼ね合いで時間が制約されることを良く見てください。 

●意外に、自分で行動することによって経費を節約することが得策であると思う人が多いものです。
 しかし多くの場合、時間がかかったり、自社ではやりきれないほどの仕事量になり、機能が欠落したままになってしまうことが多くあります。 そのまま機能が欠落していて、行き詰まってしまった例は数限りなくあります。 

そこで、コンサルタントからのアドバイスは、どのような商売をすべきなのかだけでなく、商売に必要な機能を必要なときに手に入れるために利用すべきなのです。  

【1】自社で用意できない機能。
【2】自社で用意できる機能であっても時期的に遅れる場合。

 これらを全体の計画に対する助言と共に、どのようにして手に入れるべきかの助言を受けます。

●期間が限られている場合、売上を上げるスピードと経費との競争になりますので、経費を節約するだけでは自滅します。 有効な経費のかけ方が大切です。 
 機能をそろえる場合、「自社の中で教育するとき」「新たな人材を雇い入れるとき」「外注に出すとき」いずれの場合も、コンサルタントの存在は期間を短縮するのに大変有効です。

●事業の展開にあわせて、品質、納期、コストの3大要素の中で、どの点を優先すべき時期であるのかが誤ってはならない点です。 コストには敏感なのですが、期間に関しては大変鈍いものです。 しかし、この期間こそが商売の成功を担うものです。 不良を出さず、つまり間違いを冒さず、出来るだけ短期間に目的に達することが利益につながるものです。
 この【間違いを冒さず、出来るだけ早く】を覚えておいてください。 様々な管理手法が世の中に存在していますが、全てこの前提条件を満たさなければ意味はなくなってしまうのです。
 そこで、単なる単発の外注としてではなく、企業間の分担も含めた≪アウトソーシング≫による組み立てが有効なのです。

●我々コンサルタントに依頼されるメリットが、どこで生まれてくるのかを良く理解していただければ、アドバイスを受けて実行に躊躇することはなくなり、実行せずにアドバイスが無意味だなどと思うこともなくなります。 
 商売の全体像をよく理解することが、コンサルタントを受けるもの、するもの双方に大きなメリットを与えてくれるものだと言えます。

コンサルタントに依頼することは、そのスピードを飛躍的に高めるところを良く理解してください。
 ≪例えば≫出店して軌道に乗せるのに2、3年といわれる商売なら、多くは6ヶ月から1年が我々の目安です。この時間的な差は、事業の命運を左右する差です。

コンサルタント 三河 恵


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