●小売業の立地条件を考える● 売れ筋を追うな! ・・・小売業共通の誤り・・・
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!例として、中古ゴルフ用品店を検証! |
「売れ筋を追うな!」とはいかなる事か.と首をかしげた方も多いと思います.
無論、売れ筋商品があるに越したことはないのですが、残念ながら、それは店舗にとって、売上向上の切り札とは言い切れませんし、小売業の場合、競合店のある場所では、その商品はどこの店舗にもあるもので、それが値引き競争の源となることが多く、経営的に、良い方法とはいえないのです.
これをお解りいただくために、立地条件というものをどう見るか?を、例にあげて、ご説明していきます.
@立地規模【第1のキーワード】を見てみます. | |
これを決定付けるのは、「業種」と「売り方」です. いえ、売り方だけで決まると言ったほうが正確かもしれません. 業種によって売り方が違ってくるので、2つをあげたまでのことです. |
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≪業種による差≫ 通常、コンビニエンスストアのような業態の場合、200〜300mの範囲の客が中心となっているようですが、これは何故なのか、を考えて見ます. (1)その名のとおり、客が買いたいと思ったときに、来店すると、そこに不思議と欲しいと思った商品がある.それは、大変便利なものです. (2)しかし、それは同時に、スーパー、百貨店、専門店には当然ある商品がほとんどであり、24時間営業などの利便性によって、集客しています. これは、競合店のある場合、遠方の客を呼べない理由でもあります. 専門店の場合は、少し違ってきます. 概念的には、上図のようになり、専門店ほど遠方のの客の占める割合が増えてきます. 実は、ここにヒントがあるのです. |
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≪売り方による差≫ コンビニエンスストアの場合、ほとんどの場合は、POSレジによる各地からのデータ分析から、品揃えをして、客を待ちます.ですから、客層は、必要性を感じた近隣の人々が中心となります. しかし、独自の商品をそろえたお弁当屋さんがあったとすると、そこにしかない商品でありますから、その商品を食べたくなれば、遠くからでも来店するしかありません.これが、専門店です. 「だから、売れ筋商品が大事なんだ!」と言いたい人も多くあるでしょう.しかし、いざ競合してしまったら、それもすぐに半減し、値引き競争、新商品競争になります。 そこで、売り方となるのですが、その前に、立地の規模について、具体的に見てみましょう。 |
A中古ゴルフショップの立地を見る。 | ||
これは、横浜市・港北地区です。 東京のベッドタウンであり、京浜川崎地区、横浜商業地区にも近く、近年、拡大しつつある新興住宅街の典型です。 最近、この、地下鉄センター南駅近くを中心に、中古ゴルフショップが大きな売上をした地区でもあります。 なぜ、この地区で中古ゴルフショップが成功し、そして、激戦地区となっていったのでしょうか? 地下鉄は、新横浜、横浜駅へ通じ、東名高速の青葉インターと第三京浜の都築インターに挟まれた位置にありますが、人口密度は、さほどのことはありません。 ポイントの1つといえるのが、交通手段が”車中心”となっている点です。 ゴルフ用品にとって、車で来店しやすいことは良く、商品の特性とマッチしています。 それが、商売の規模を、通常の小売業よりも大幅に広げる可能性を作りだしています。 |
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《港北地区・商圏内人口調査》 |
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しかし、上記のように可能性のある立地だからといって、売上は、「売り方」によって大幅に変化してしまいます。 現在のように、商品をよく管理された状態で区別し、並べるという普通の売り方だけでは、競合店が近隣にできてくると、たちまち、この商圏を分け合うことになってしまいます。その結果、買取価格競争、値引き競争になり、売れ筋商品は、あまり儲からない商品となっていきます。 潜在客数である約10万人を掘り起こしきれない原因ともなっています。
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