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>◆■ 集客の達人〜辛口コンサルタントのひとり言〜Vol.4 ◆■
>                         2000/8/22号より抜粋
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■  [集客のコツ]
■■ 売れ筋を追うな!自ら、売れ筋商品を作るコツ ■■

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時事問題の記事、<第3回 日産自動車は、なぜ生き残れなかったか?>
から読み取れる≪自ら、売れ筋商品を作るコツ≫についてお話ししましょう。

▽<第3回 日産自動車は、なぜ生き残れなかったか?>からの引用
> 決定打はその静粛性であります。 その設計内容で静粛性をテーマとし、
>コストを傾注して、単に乗るだけなら不必要にも思われる静けさは、この市
>場における、ニーズを≪叩き落す≫ほどの決定打でありました。
>
>【大ヒットの生まれるコツ】--------------------------------------
> その市場の人々が、意識していなくとも望んでいる欲求を、どのような形
>で表現するのか、全体が1つのコンセプトに傾注し、統一されていることと
>≪目玉≫と思われる、表現の決定打があって、大ヒットは生まれます。

 前回、上記のように、売れ筋商品について、トヨタのセルシオの例を挙げ
、概要をお話しました。

 そこで、読者の方からの質問がありました。
【問】
 『御社では、集客のノウハウとして「売れ筋を追うな!」と謳っているが、
メールマガジンでは、”売れ筋を作るコツ”を書いているが、それは矛盾が
あるのではないか?』

 これについて、店舗における売れ筋商品について、少々補足させていただ
きます。
 <メーカーにとっての売れ筋商品>は、文字通り、自社製品をヒット商品
に作り上げられるかどうかが勝負であります。

 <店舗にとっての売れ筋商品>は、どのメーカーの品でも良いので、その
時、売れる品が売れ筋商品なのです。

 <この2つを混在して理解しているいる店主>の方々が多く、これは大手
のスーパーなどにおいても、メーカーや、問屋の営業マンの言われるままに
受け止めて、市場での売れ筋と言われる商品をを信じ込んでいる方が多い
ようです。
 メーカーにとっては、自社製品を売り込みたいのであり、問屋にとっては、
自社取り扱い製品を売り込みたいのです。
 ヘタをすると、在庫の多いものをはきたいがために、売れ筋といってくる
営業マンすらあります。

 店主の方は、店頭での販売活動まで店側に代わって行ってくれるもの、
例えば、イベントやポップなどを用意してくれるメーカーや問屋の商品を買
いたがります。それが、”楽”だからです。

●しかし、本当は、店側から見ると、1メーカーの商品が売れても、全体の
売上には、あまり貢献しないのです。よく考えてみてください。
 特定のメーカーの品を売り込めば、客は、他のメーカーの品を買わずに、
そのメーカーの品を買います。ですから、売れ筋商品を置いていることで、
客数は多少増え、売上も多少増えるのですが、全体としては、他が売れ残る
ことになります。

●また、現実に売れ筋商品を知っている客は、何%いるでしょう?
 指名買いの客は、全体の客の何%を占めているか、これもあいまいなもの
で、固定客化の進んでいる店は、この割合が増え安定していきますが、向
上もあまりしません。
 むしろ、固定客化が行き過ぎると、ゆくゆくジリ貧となります。
 ここで、大事なヒントですが、<銘柄を客に指名させず、良い商品を自ら提案
できる店>が、売上を伸ばすことができます。

【教訓★売れ筋商品は、自分でつくれ!】--------------------------

 店舗においては、自らが売れ筋商品を作り出していくべきと考えます。
 独自ブランドを製作しろということではありません。既成の商品から生み出す
のです。
 つまり、コンセプトを決め、売り込めるとにらんだ商品を、店の内外で提
案していくのです。

 酒屋さんで、夏には冷たい飲み物が売れるのは当然のことで、ビールも夏
が主力であります。
 このような季節変動に頼るだけでなく、<夏の過ごし方>に飲み物の提案
を演出してみてはどうでしょう。
 缶ビール、ビンビール、樽ビールと多様な商品があるのですから、夏の過
ごし方にあわせて、提案してみます。
 例えば、
(1)山や、海などに出かける人には、缶ビール、人数によっては、樽ビー
ル。
(2)1人で晩酌なら、ビンビール。
(3)親戚を呼んで、大勢ですごすなら、樽ビール。

 これに、おつまみの提案を加えて、ディスプレイし、それを広告します。
すると、たとえ、この例に当てはまらない人であっても、自身の過ごし方と
、ビールとの兼ね合いとを意識してくれるのです。つまり、お客さんの潜在
意識を引き出すわけですね。すると、”あっ、ビールが飲みたいな!”と思
い、行動を起こしてくれるのです。

 ただ、漫然と商品を並べ、安売り合戦に入るのではなく、上記の例は、ま
だまだ粗い提案ですが、お客さんに次から次へと、”夏”をドンドン提案を
していきます。次は、”味の差”の提案でもいいでしょう。店の1部に”夏
休みコーナー”を作り、それを広告するのです。しかも、店全体が、夏休み
の過ごし方に傾注するのです。
 例えば、「夏休みは、ビールでいこう! でも、おいしい水もあるよ!」
みたいに。。。すると、自然と店に活気ができ、半ズボンでサンダル姿のお
客さんがドンドン増えることでしょう。
 秋には秋の、冬には冬の、やり方があるはずです。
 これが、”自店で売れ筋商品を作る”ということですし、この売れ筋商品
は、どこの店にもありません。貴方の店にしかない、オリジナル商品です。

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>◆■ 集客の達人〜辛口コンサルタントのひとり言〜Vol.33 ◆■
>                           2001/9/7号より抜粋
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 ◆◆◆ 【一枚のポップから】
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 「白い犬とワルツを」という本がベストセラーになっていると言います。
 ある店の店長が書いたポップで売上が好調だったので、そのポップを全国
の書店で使わせてもらったところ、ベストセラーになったとの事です。
 このことは、「売れ筋を作る」技術について知る上できっかけとなるものです。

 商品を客観的に見るうえでのポイントを追って見ていきます。
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●(1)商品は展示しておくだけで、お客様にわかってもらえるものか?
 例えば、前出の本であるなら、読んでみなければ内容はわからないのであ
ります。 では、お客様はどのようにして購入しているのかであります。 
作者でしょうか? それでは初めて出会う作者であったらどうにもなりませ
ん。 題名、文学賞受賞作、表紙デザイン等、なかなか直接自分の読みたい
本であるのか判断しにくいものです。 そこで、最初の一歩として中身をわ
かりやすく表現したポップの役割があるのです。 このように、買ってみな
ければ判らない商品が多いことに気付くはずです。 食べてみなければ判ら
ない食品や、よく見て買っているはずの衣料品であっても、それはなかなか
むずかしいものです。
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●(2)その商品を買って得ることの出来る効能がどのようなものであり、
どの程度のものか?
 物を買う側の心境としては、何らかの効能を求めて買うわけですので、そ
れが体感的に感じられたとき行動に出ることになります。 その動機付けを
お客様自身に頼っているのが、多くの店舗の現状です。 買う側が商品知識
を勉強してきて買うのがあたりまえと思い込んでいる人が多いもので、専門
家と呼ばれる人の多くもこの誤りを犯しています。 
 しかし、前出の本のように「白い犬とワルツを」言われても、私のような
初老の男性が興味を持つものではありません。 しかしポップを見てみれば
、「感動を味わってみようか!」と少なくとも興味を持つ可能性が出てきま
す。 ポスレジのデータに現れない「売れ筋」が出来てくるメカニズムの原
点がここにあります。 【商品は、ポップで売る】のです。
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●(3)選択肢がなければならない。
 しかし、その商品だけを売り込んでも店全体としては大した売上増加には
なりません。 下手をすると他の商品の売上を下げて全体の売上も落として
しまうことがあります。 また、薦められたものを買ったのに十分な満足が
得られなかった、とトラブルになりやすい商品もあります。 そこでお客様
が選ぶ余地を残しておくことが、「顧客満足度」を上げてトラブルを少なく
する秘訣になります。
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●(4)分類整理がすべて。
 (3)の選択肢を設けるためには、商品を「お客様が選べるグループ」に
する必要があります。 これは固定的なものではなく、出来れば1ヶ月に1度
ぐらい変更したいものです。 そのグループ分けにはお客様からの視点が重
要で、購買動機に即した分類が必要です。 それは、商品によっても立地に
よっても、季節や時間帯によっても違ってくるはずです。 「雑誌の特集」
のようなものと理解してください。 これが決まれば、店のレイアウトやデ
ィスプレイ、ポップ、広告の媒体、文言、規模などすべてが連動して決まっ
てきます。 そうそう、接客方針までも連動しなければなりません。
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●(5)広告は店のファンを作るためにある。
 (4)の分類整理が出来れば、連動して広告の方針が決まります。 ねら
いどころにしたがって、媒体(と言っても口コミなども含みます)、回数、
期間、内容などが決まります。 しかし、それは商品を売り込むのではなく
店のファンを作るためでなければなりません。 これが広告の効果を決定付
けます。 そして、その広告から期待される店作りを先行させておくことが
ファンになってもらえるかどうかにとって最重要です。

 1つの商品だけにポップを付けても、また個々の商品に丹念に1つづつポッ
プを付けても、余り効果はあがりません。 店全体の商品構成を考え「分類
整理」をして新たな商品ジャンル分けをするくらいの発想をし、計画的な広
告と結びつけると目を見張るほどの効果を上げることが出来ます。

経営の新セオリー[オンラインコンサルティング]

 

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