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>◆■ 集客の達人〜辛口コンサルタントのひとり言〜Vol.1 ◆■
>                         2000/8/4号より抜粋
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  警告!ナワバリを解除せよ!
◆◆               〜小売業へ熱いメッセージ〜
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◎【人間は生来ナワバリの動物】---------------------------------
 派閥、利権意識、職権意識etc.人の縄張り意識といえる行為は、種々ある。
 せっかくお店を開き、お客様を迎えようとしている時、多くのお客様に来
ていただきたいを願っているのに、知らず知らずのうちに、『この店は、自
分の城だ』とばかり、お客をはじき返してしまっているオーナーは多い。

◎【1つの極端な例】-------------------------------------------
 某大手スーパーのゴルフ売場で買い物をしている時、なぜか私のすぐ後方
に、ガードマンが立っているのです。
 私が移動すると、いっしょに付いてくるので、周りを見渡してみると、店
内には私しかいないではありませんか。
 少し動くと、ガードマンもすぐついてくるので、あまりのことに『どうし
たの?』と声をかけると、「店長に万引きが多いのでついていろ、といわれ
ています。」というのです。
 私は、苦笑しながら、「私が万引きに見えるのか?」と問いかけると、彼
は、「いえ、はい・・・」とうつむいてしまいました。

 皆さんは、この店長と、ガードマンを笑うことでしょう。
 でも、これと同じ誤りを犯している例は、ほとんどの客商売の中に見られ
ます。

◎【もう1つの例】----------------------------------------------
 某名門ゴルフ場で、宿泊パックでプレイした後、清算を頼むと、金額が大
きく違うのでたずねてみると、「宿泊パックは、前日泊なっておりますので
、お客様は後泊ですので、宿泊とプレイフィーは別になり、パック料金は適
用できません。」とのことでした。
 「予約の時に、後泊頼むね、とお願いしたところ、受けてくださるとのこ
とで、予約したのですが?」
 「規定に書いてあると思いますが。」と、いやに事務的な応対。
 「10年以上も後泊でお願いしてきておりますが、今年から変更ですか?」
 「・・・いえ、規定には昔から書いてありますが。」
と、押し問答をしばらく繰り返した後、責任者と思われる人物が、「後泊の
場合、いろいろ料金のトラブルがありましたので。」と切り出しました。
 「今年から、前日泊に統一しようということを強く出しているのですが・
・・」と。

 皆さん、おわかりになりましたか?
 このゴルフ場の支配人は、過去の料金トラブルに鑑み、「宿泊パックは前
日泊のみ」と方針を打ち出していたのでした。
 では、どこが間違っていたのでしょうか?

◎【教訓】-----------------------------------------------------
 上記の2つの例とも、お客を追い返してしまうことだけは確かで、どちら
も客の立場からみると、「不愉快旋盤」な思いに駆られます。

 確かに、万引き、料金不払いなどがあったのでしょう。
 しかし、「私ではない!」のです。
 つまり、他の人の犯罪行為の濡れ衣を着せられているに等しいことになり
ます。
 これでは、客は遠のいてしまいます。あたりまえですね。

 客商売を名乗るのであれば、犯罪者と、お客様は、当然区別されなければ
ならず、それができなければ、商売を止めた方が良いというのが私の持論で
す。 下手をすると、名誉毀損にもなりかねない、危ないやり方であるので
すが、経営者は、それが当然と思っている感があります。

 【もう1つの例】では、永年のお客様を、結果的に、犯罪者呼ばわりして
いるという滑稽な事なのですが、その背景に、「自分の店だ」「自分のコー
スだ」との思い込み、すなわち「縄張り意識」が大きく働いています。

 お客様に来ていただく以上、店内、コース内は、「お客様の縄張り」にし
なければなりません。
 そして、どんなに大変でも、犯罪者と、お客様とを区別する方法を見つけ
出す努力を、経営者側すべきなのです。

 あなたが、このゴルフ場の支配人なら、どのようにパック料金体系を変更
して、料金トラブルも、永年のお客様とのトラブルも無くしていきますか?
 また、どうやって万引き犯と、大切なお客様とを区別しますか?

◎【ナワバリ解除の理想】---------------------------------------
 「お客のナワバリにしている店」というのは、客は意識していないのです
が、大変居心地の良いものです。
 集客に成功している店は、例外なくナワバリ解除に成功していますし、同
じ店内でも、店側のナワバリでないところは、妙に客が集まるものです。
 これも、いずれ店内レイアウト、ディスプレイなどのテーマでも取り上げ
てみたいと思います。

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>◆■ 集客の達人〜辛口コンサルタントのひとり言〜Vol.61 ◆■
>                         2002/10/4号より抜粋
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 ◆◆◆ 【万引き対策】
■■           〜攻撃は最大の防御〜
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● 万引きの被害は新たな段階となり、当社もその対策について、方針を修
正せざるを得ません。
 その問題点は、中古市場の確立なのです。 中古市場のできあがった業種
において、一様に万引き被害が増えているのです。 

 最近、ゴルフ場や練習場でクラブを放置出来なくなってしまいました。4
0年も昔からゴルフをしているのですが、どんな高級な道具でも気にするこ
となく置いたまま食事など出来たものです。 それが盗まれるようになり、
最新の人気のあるクラブを持ち歩くときは、目立たないヘッドカバーを被せ
るようになりました。
 中古クラブで店主に話を聞くと、何度も売りにくる人があり、ゴルフの知
識も少なく、自分が買うこともない人がいるそうです。 私が『それでも買
い取るのですか?』と尋ねると、『それは人気の商品を持ってきてくれます
から。』と答えます。

● CDやDVDの店、書店は深刻です。 需要の低迷している出版業界で
は、万引きが原因で閉店に追い込まれる店が増えています。 このように中
古市場の確立した業種では、一人の犯人が大量の万引きをすることが特徴で
す。 ですから、万引き被害により倒産に追い込まれることもあり得るので
す。
 かつては、防犯カメラを設置しているだけで、万引きが劇的に減ったので
すが、現在は少数の確信犯による大量の万引きの場合、それだけではくい止
めることが難しくなっています。

● 方策として、万引き専任のガードマンを置くことが有効なのですが、費
用の点で採算に乗りにくいことになります。 過去の万引き対策と共に、新
たな対策を必要としています。
 しかし、ここで大きな問題があります。 あまり厳重に警備すると、お客
様に迷惑をかけ嫌われてしまうのです。 お客様から見れば、疑いの目でじ
ろじろ見られるのは不愉快なもので、それならと他店に行ってしまうもので
す。 どんなに理解を求めても難しいものです。

         【中略】

● これが、お客様の心境なのです。 どんなに危険を防止するためと言っ
ても、疑われることは心外きわまりないことなのです。 このことをどのよ
うに避けるかが技術となってきます。 

(1)
 「お客様と万引き犯を正確に区別すること」と、お客様には警戒している
ことが感じ取れてしまいますので、「よりいっそうの丁寧さとサービスで補
う」しかないのです。
(2)
 「お得意さまは顔を覚える」ことです。 お客様の好みを覚え、書店であ
れば、好みの新刊書などを案内出来るほどであれば理想です。 しかし、大
量の客を少数の店員で切り盛りする大型書店などでは難しいことです。 航
空会社であれば、マイレッジ登録があるお客様のことならデータを蓄積出来
るのですから、追跡して好みのサービスなど聞かないでも出来るようにする
ことです。 少なくともこのお得意さまの判別は、商売上、当たり前としな
ければなりません。
(3)
 最大の問題は、万引きの常習者です。「防犯カメラの映像の検証と店員教
育」を確実に行い、常習者が来た場合は先に声をかけることです。 証拠が
あるなら、すぐに警察に引き渡すことも躊躇しないことです。 また、「警
察とは事前に相談して、対処方法などを打ち合わせしておく」ことです。
 レイアウトの変更、防犯カメラの設置など、ここまでは在来の方法の範疇
です。

【新提案!攻撃は最大の防御】
● 中古市場の確立が背景にあることが解っているのですから、同業者の横
の連絡を作り、中古市場の事業者とも協議する体制を作ることです。
 商店街などの団体で警察と相談すれば、相談に乗ってくれる確率も増えま
すし、警察も防犯の範疇であり、労を執ってくれるはずです。
 個人的に動くときはなかなか大変で、お役所仕事の壁にぶつかることでし
ょう。 しかし、すぐにあきらめてはなりません。 生活安全課の担当者に
根気よく相談して、近所の中古店の協力を取り付け、「近所の盗品をさばく
市場そのものをなくしてしまう努力」をしましょう。

● その理由は、これら換金目的の大量万引き犯の多くは、中高生徒など若
年者が多く、行動範囲が限られていることがあげられるからです。(業種に
よります。ゴルフクラブなどは違います。)
 むろん広域に越したことはありません。 要するに出来るだけ犯罪をしに
くくするのです。 検挙する側から見れば、売りさばくときに検挙する方が
やりやすいことがあげられますし、古物取引には記名が義務付けられている
からです。 いずれこのような常習犯は、中古店でも万引きをして転売する
ことになるのですから、業界全体で団結することです。
 書店を廃業に追い込むほどの大量万引き犯は、地域では人数は限られてお
り、特定してしまう方が有効です。 『攻撃は最大の防御』です。

● 全国的な業界団体などが出来ている業種では、団体で取り組むことです。

経営の新セオリー[オンラインコンサルティング]

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