●ただ、広告したって、集まらない!【その1】
〜スーパーの安売りからの脱却、日頃から、「提案型」にすべし!〜
あるスーパーのコンサルティング経過を交えて
●まず、データより検証
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普段よく参考にする広告メディア
● 全体では、「テレビ広告」が 最も高く、約半数を占めている。

● 性別では、男性と比較して女性で「チラシ広告」が目立って高くなっているのが特徴的である。

● 年代別では、30代に較べ20代で「テレビ広告」の割合が 10%以上低いのが目立っている。

<TBWA/JAPAN Co., Ltd.調べ>

 上の図によると、男女年代にかかわらず、テレビ広告が、絶対的影響があると出ています。
 なかなか参考になるデータだったのですが、単純に数字を鵜呑みにせず、ちょっと考えてみてください。

 これは、お客様が商品を選ぶときの影響力であり、店舗を選ぶこととイコールではないのです。(ただし、フランチャイズ店舗、または、広域展開している場合は、店舗の広告も影響力があります。)
 でも、どの店で買うのかは、特定することはできず、広域で展開している店舗群であっても、後は、客が選ぶことになります。
 ここを間違ってはいけません。

 では、今回のセミナーで、お客様に店舗を特定していただく、つまり、自店を選んでいただく広告のコツについて、あるスーパーのコンサルティングの経過とともに、お話したいと思います。

 広告は、店単位で行うものです。特に、フランチャイズチェーンに参加しているオーナーの方々や、同業者との競合の場合、絶対に必要な手段です。
 フランチャイズの場合、ゆめゆめ本部との共同広告で、いくら全体の市場開拓ができても、地元の競合店との戦いに勝つことはできないことを、忘れないでください。 競合が激しくないときこそ、これをお忘れなく。

 そして、広告媒体を、如何に使用していくかも大変重要です。広告の効果を出すのには、たくさんのステップが、1人1人のお客様の中にあるからです。
●安売り合戦の現状と実態
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 では、あるスーパーのお話です。
 ある時、そのスーパーでは、開店10周年記念セールをしました。
 目玉になるようにと、賞味期限の迫った商品を、80%引きで大量に店頭に出すことにしました。

 広告には、10周年記念セールのみを謳い、値段は入れませんでした。
 当日、押すな押すなの大盛況となり、大忙しの1日でした。
 しかし、終わってみると、売上は目標の7割しかいかなかったのです。店長は、販売戦略の失敗を認めざるを得ませんでした。
 目玉商品として出した商品は、あっという間に売り切れたのですが、それ以外の商品が売れず、客数の割に売上高が伸びなかったのです。

 これが、<よくある安売り合戦の実態>です。

 では、何が正解で、何が間違いだったのか、そして、どうすればよかったのでしょうか?
●分析
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 「開店10周年記念を捉え、セールとした」
 これは、イベントの打ち方としては、満点とはいえませんが、60点です。誤りではありません。当然、やるべきです。
 
 でも、お客様の目から見たとき、正直言って、「だから何なの」ぐらいのものです。
 10周年記念は、常識的には、社内、関係者で祝うものであり、お客様にとっては、どのくらいの関わりがあるというのでしょうか? もっと厳しく言えば、”社員にとってみても・・・???”です。
 商売上、それを無理やり捉えて、安売りセールに持ち込んでいるわけで、客にとって、「とにかく、安く買えればいいわ!」と思わせてしまったのです。
●方策(コンセプトと店作り)
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 そこで、店が10年続いてきたことは、どのように、お客様にかかわりのあることなのかを、ちょっとだけ頭を使って、考えましょう。

 そのスーパーは、”買い物先として、お客様に支持されている”、ということでした。単純に”安い”からということでなく、信用があり、便利であるなど、お客様に利益があるお店なのです。これは、お客様自身もはっきりとは意識していないかもしれませんが。
 そして、10周年記念セールとは、店側にとっても、お客様に長い間、利用していただいている、感謝しているということを、お客様に伝えるチャンスだったのです。

 つまり、一本釣り商法のような、短期的にだます商売、又、お客様を上から見るような殿様商売、といった姿勢を一切除去し、もっとそのスーパーが、お客様の生活に密着していることを念頭におかなければなりません。

 お客様の生活の中にあり、お金持ちからそうでない人まで、常に密着した存在であることを、もっと打ち出さなければ、このチャンスに損であります。(いつも、私がいうように、”お客様の潜在的欲求を捉える”、ということです。)

 スーパーであれば、自店の持つ食材がたくさんあるのですから、もっと食生活に対する提案を日頃から行っている必要があります。
 例えば、季節の料理のメニューの提案があってもよし、その日の旬な素材でもよし、それがもたらす効果をお客様が思い浮かべることができるようにすることです。

 そのスーパーでは、得意な商材があったので、それを前面に出しました。魚、野菜など、それにかかわる料理の提案をして、関係する材料すべても1箇所でそろえられるコーナーも用意しました。しかし、一方で、お客様の選ぶ楽しみを作るために、各々の食材コーナーに、その材料ごとに向いた食料を集めたコーナーを作り、その中から選んでいってもらいました。
 店内を一巡するとそろうようにすることと、前述の1箇所でそろうコーナーと、両方を作ったのです。
 その後のお客さんの動きは、目を見張るようでした。安いものだけという姿勢ではなく、買い物を楽しんでいるという風に見えました。結果は、まず、お客様1人あたりの売上高(客単価)があがり、次に、集客が徐々に増え、売上も、セール中ではないのに、顕著に上がりだしました。
 これを、解析してみると、まず、お客様が安売りのものだけでなく、他のものも買い出したということ、安売りだけ目当ての客だけでなくなったということ、つまり、上記のようなコンセプトと、店作りで、だいぶ様相が変わってきた証だと思います。

 日頃から、そのような提案型にしておくと、その日のセールで目玉商品の安いものがあるとしても、その商品に関係する商品も売れていくことになり、安売りの目玉商品だけ売れてしまい、全体の売上が上がらなかったということにはなりません。
●広告の意味
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 スーパーの広告は、その日の目玉商品、安売り商品など、商品単体を広告するだけのものが、主流です。
 私に言わせれば、商品単体を広告するのではなく、その提案を広告し、スーパーであれば、その目玉となる安い商品を1部載せ、提案について、当店で材料を買えば、安くできることを見せます。
 ですから、目玉商品だけは赤字覚悟でも、他のものまで売れるので、安くすることができるのです。

 このスーパーでは、上記の方策(1つの提案に基づいたコンセプトと店作り)をおこなったあと、広告をこの手法でしたところ、しばらくは、満面の笑みを抑えることができませんでした。

 この提案型の広告をすることが、自店をお客様に選んでいただく理由になります。
 一方、商品単体だけを広告すれば、それは、どこの店で買うかはお客様の自由となってしまい、その店に行く絶対的必要性はないのです。その結果、「あの店は、安い店」と烙印を押され、他の「安い店」と比較され、<安売り合戦>になってしまい、ゆくゆく共倒れになっていくのです。

 「商品単体を売るな!」。このHPで、私が再三、皆さんに訴えている言葉です。
 かつては、”そごう”のように、出店すれば集客は自動的にでき、後は、売れる商品を探せばよいことでした。
 しかし、集客ができなくなったとき、そのときの売れ筋商品だけを追いかけても、お客さんの立場からみれば、他の店で買うこともできるし、もし他の店より安ければ、それだけ買ってしまうことになり、店舗側としては、他の商品が売れなくなってしまうのです。

 くれぐれも、販売戦略を考えるとき、「始まりは、集客から」であり、それから、如何にお客様に買っていただくかの2段階の大きなステップがあることを、お忘れなく。
 デパートのシステムの中に、この集客のシステムが欠落していたことを、検証してみてください。
●変わる立地条件
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 一般に立地条件というと、その土地に固有にあり、商品、業種によって、固定的に備わっているように考えられています。

 全国的データを持つ企業は、人口によって、どこに出店すれば、どのくらいの売上ができるのか、すぐにシュミレーションできるシステムを持っているところもあります。

 しかし、いつもおかしなことだと思うのですが、売り方を変えると、上記のスーパーのように、売れ行きは大きく変わってしまいます。これは、かつて、私の自店でも実証済みです。
 ですから、いつもシュミレーションした数字には、「そのときの売り方限定」の数字であるはずです。つまり、そのときの売り方に有効なシュミレーションであり、数字であり、売上予測であり、その売り方を変えてしまえば、ぜんぜん当てはまらないということになります。

 コンビニエンスシステムのような場合は、かなり限定的でありますので、あたる確率は高いはずなのですが、店長が熱心かどうかでも、大きく売上が変わることを見れば、それでもなかなか当てはまらないものなのです。

 結論を言いますと、広告の仕方1つで、立地条件も大きく変わり、良くもなり、悪くもなります。逆にいうと、広告の仕方で、<売上を変えられる>ということなのです。

 ですから、皆さんも、あきらめずに、お客様の、潜在的欲求を捉え、コンセプト、店作り、広告へとお客様の歩く道を作ってあげてください。そうすれば、売上は、必ず上がるはずです。

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