━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
>◆■ 集客の達人〜辛口コンサルタントのひとり言〜Vol.50 ◆■
>                         2002/5/3号より抜粋
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

=========================================================
■■  
 ◆◆◆ 【広告について】
■■         〜チラシの作り方 その1〜
=========================================================

●『広告とは、媒体(チラシなど)単独では成り立たない』
 よく使われるチラシ広告について考えてみましょう。 店舗経営者に話を
聞くと、「広告など必要ない」むしろ広告をしないことが上手な店舗経営で
あると考えている人たちがいます。 店舗コンサルタントを名乗る人の中に
も「チラシ広告など効果はない」と言い切る人までいます。 これは店舗の
置かれた物理的条件のほんの初歩を見ていないために起きる誤りです。 
 『出店したが集客が思うようにない。 時間をかければ何とかなると思う
が?』
 こんな自分の心の声を含めて、つぶやきを聞いたことがある人は多いこと
でしょう。 そもそも広告の役割、機能はどんなものなのか。 いろいろな
角度での議論は専門家諸氏にあることでしょう。 しかし、その第一義的機
能に<店の存在を知らせる機能>があることに異議を挟む者はいないであり
ましょう。 店の前の看板を含め、口コミも含めて潜在客に店の存在を知ら
れなければ何事も始まらないのは物理的絶対の条件です。 「知られること
」と「知ってほしい潜在客がいる」ことの両方の条件について、広告しなく
てもそれを満たしている立地を探すために、立地条件を見誤ることになりま
す。

●[1]立地条件との関連。
 ここで一つ例を挙げておきます。 立地と広告を考えるのによい例です。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
<例>人口12万の町の駅前のスーパーの駐車場の入り口にあるイタリアレ
ストラン。
 この町の住人にとって日常の買い物をする一番の場所であり、誰の目にも
とまり、買い物ついでに立ち寄るには大変都合の良い場所にあります。 む
ろん集客はかなりあるものと思われ、いちど調査してみようと立ち寄ってみ
ました。 出店して3年がたち、その間広告を見たことはありませんでした
。 午前11時半頃で、これから昼の混雑が始まろうとしている時期であり
ました。 50坪ほどの客席面積の店内は、意外にまばらな客数でありまし
た。 席に案内する店員の態度はかなり荒いもので、店舗外装とは落差があ
るものでした。
 ここで、私個人はかなり落胆していました。 出店以来、時折目にしてい
たこの店の外装から抱くイメージとはかなり違って、いわば高速道路のサー
ビスエリヤの食堂の方向にあったからです。 料理の味もかなり大味で繊細
さにかけるものでした。
 ここで注目しておきたいことは、
(1) 3年もの間かなりの回数目にしていながら、このお店に入ることがなかっ
たこと。 
(2) 外装から見た期待値と中に入ってみて受けた印象との落差が大きく、落胆
したこと、の2点であります。
 3年間も入らなかったことの理由は、第一に、どんなお店なのか通りがか
りに外から様子を窺うしかなくよくわからなかったからであります。 近所
の行きつけのイタリアレストランには時折よっていたのです。 外装からの
期待と違っていたのは、勝手な思いこみなのですが、もう少し高級料理店で
あると思っていたのです。 このお店のセッティングに関しては、客側から
見れば使い道が違うのであって、それを心得ていれば落胆する必要のないこ
とであります。
 つまり顧客満足度は、お客様の心構えをどのように作り上げるかによるの
です。 この2つの点については広告の必要性があることに気付いてもらえ
たでしょうか。 どんなに集客に苦労しない立地であっても、広告の役割は
重要なのです。
上記の(1)について、適切な広告がなされていたら店の立ち上げはもっと早く
できたのであります。
(2)については、来店した初めてのお客様が再来店してくれるかどうかの重要
なところです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
●当社が指導しているあるラーメン店では、店舗前の看板の作りは大変よく
、道行く人が立ち止まっては入っていく姿が見受けられます。 しかし、人
通りが多いときは盛況となるのですが、近所の主婦層はなかなか捉えること
は出来ずに、午後のお茶の時間はほとんど来店客はありません。 売上とし
てはまずまずなのですが、より多くの売上を上げる余地は十分あるのです。
 ラーメンという商材では、その使い道が三時のおやつとはなっていないの
です。 そこで夜食やおやつに向いた小ぶりのトッピングに工夫したメニュ
ーを加えたのですが、あまり客数はのびません。 それもそのはずで、来店
客にメニューを見せるだけでは、食事としての使い道しか考えていない人に
は効力がなく、新規の客層を呼ぶことにはなりません。 これには、外部に
それを知らせる広告が必要なのです。 せっかくの新たな提案をメニューに
加えても、知って欲しい客層に知られなければ何もならないのです。
 広告が不要な場面など、店の営業にとってはあり得ないのです。 まして
来店客数の少ないときには。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

★★ここで立地と広告の関係を整理しておきます。
<1> 広告をしなくとも知られていく立地。
 これを立地条件と考えている人が大多数であります。 高名なコンサルタ
ント会社でさえ、これを前提として技術を積み上げているのが現状です。 
「人の集まる場所」「人通りの多い場所」を良い立地とする考え方でありま
す。  たしかに、店の外装、看板程度で、何もしなくとも来客数が十分で
ある場所は多く存在します。 そんな立地のお店でも、広告の役割は大変大
きいのです。 それは売上や利益を大きく左右することになり、「お店の寿
命」を決めると言ってよいかもしれません。
<2> 潜在客のいる立地。
 潜在客の十分にいる立地であれば、知られていく立地でなくても良いので
す。 むしろ、何もしなくても知られていく立地よりも良い場合も多くあり
ます。 全ては運営方法次第です。
<3> 商圏の設定の仕方。
 大概、この設定に間違いがあります。 広く設定している店舗経営者でも
、半径2kmぐらいと大ざっぱに考えています。 近隣500mぐらいと2
kmまで、それ以上、と区別して、しかも単純に半径で考えてはなりません
。 また、近隣と遠方では商売が違うと考えるられるぐらい別物です。 当
然、広告の内容、媒体など全ては別です。
<4> 広告をすべき時か、するとすればその内容は如何にすべきか、全て
のことを決めるのは、潜在客を含めて市場の動向をどう見るかです。 単純
に、商品のカタログをチラシにするのでは、効果のある場面は極限られます


--------------------------------------------------------
 これ以降の記事の内容は、
 広告キャッチフレーズの役割4つのポイント、広告の内容は「解説」か
「感覚表現」かについて、店内と同期することの必要性について、続いて
解説しています。
 当社発行の『市場創造の経営学 2002年版』をぜひご覧下さい。

 また、メールマガジンでもこの問題も含めて集客についての解説をして
いきすので、まだご登録でない方は購読してください。こちらは無料です。

 この問題について、すぐにでも方策が欲しい方は、セミナー『ただ広告し
たって集まらない!』あるいは『店舗売上向上〜ストーリーを作れ!』を
ご検討ください。

経営の新セオリー[オンラインコンサルティング]

[an error occurred while processing this directive]