ある立地条件〜女将の願い  ・車社会のコンビニ  ・ある立地条件〜ゴルフ場の場合
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ある集客条件〜接客は売上向上の要か?  ・ある集客条件〜イベントの効果
ダイエーの憂鬱〜キーワードは来店回数  ・チェンジ・ストア、アーケードの中で…
(2004.10.01)
■ ある立地条件〜女将の願い
 
… 図のような立地条件、「女将の店」の集客をあげるには、どのような打開策がありますか?

● 駅前繁華街、通りに面して雑居ビルの入り口があり、横道のようにビルの中に入る構造は、お客様を誘導するに、なかなかのデザインであります。
 観光地のため一見さんの多い通りで、その雑居ビルの奥まった所に店を構える女将は、毎日のようにその雑居ビルの入り口、横道にはいるようにデザインされた角に立ち、チラシを配っています。

 「通りに面した場所に移りたいの。」
 「こんな場所では、毎日毎日チラシ配りが大変だもの。」
 「チラシ配るのを止めると半減だもの。○○さんのお店なんか、何にもしなくたっていいんだって。」
 「・・・・・・・・・・・・・。」

● あなたならこの女将の願いをどうやってかなえてあげますか?
 午前中から昼過ぎまでチラシを配って、その日の客数を確保しても観光客で一見さんの多い土地柄、明日のことは一からやり直しなのです。
 「場所が悪い。早く移動することだ・・・・。」
 これが【商売人の成功の秘訣】と信じて疑わない人が多数でしょうか?

● こんな時、まず私は店の中を見ます。メニューを確かめ、味を見て、接客をそれとなく確かめます。そして【再来店の仕掛け】が出来ているかみます。
 その女将は、なかなかの接客でお得意さまをしっかりと作っていけるレベルであります。少々張り出し気味ではありますが、客離れを引き起こすほどのことではありません。常連客には特別料理の注文も受け、家庭的な対応も出来ています。

● しかし、立地条件をよく見なければなりません。
 接客と立地条件の適合性を見ると、
  (*) 良い点は、再来店を促せる接客になっている。
  (**) 悪い点は、一見さんの多い立地でありながら、個別に対応しているので接客できている人数そのものが少なすぎる。
 女将は接客の才能もあり、熱心で働き者なのですが、立地条件を捉えきれていないのです。

● ではこの場合、どの様にすれば集客に成功できるでしょうか。正確に言えば、「毎日毎日ビラ配りをしなくても集客出来る方法」です。
  (1) 首都圏から日帰りで出かけられる観光地である。
  (2) この町には、良く知られた料理屋、レストランなどが多数存在し、観光地としてだけでなく、そうしたお店を目当てに訪れる人もかなりある。
  (3) 女将の店は、駅にほど近い場所にあり、交通の利便性では電車、バス、バイク、自転車、車など一見さんについて駅前商店街共通の駐車場についての不便さがある以外、大変有利なところです。
  (4)この商店街の背景にある住宅街の人口については、通常の地方都市の商店街に比べて、かなりの広範囲から集客できていることから、店側の出方次第であるとみます。
 これらの点がキーポイントとなります。

● 皆さんならどの様な打開策を練り上げるでしょうか? 

●【大きなポイントは以下の2点】
 この<女将の願い>をかなえるために技術的に解釈すると、一見さんに頼った集客から、奥まった小料理屋の体裁にふさわしい固定客中心の安定した集客に転換することが目標となる。

 @再来店ストーリーを店側で用意する。
 店舗経営者の共通の欠点は、商品の利用の仕方はお客様に任せっきりで店側から提案できていないことです。この例の場合、日帰り観光客の昼食や夕食では、固定客化は難しいのです。つまり、観光客は繰り返し同じ観光地を訪れることすら珍しく、年間に数回でも多いくらいです。しかも、繰り返し訪れる観光客は、同じ店ではなく別の店に行きたがるのが通常の状態です。ですから、かなりインパクトのある「再来店ストーリー」を用意しませんと効果はありません。
 A観光客でないお客様の層を狙う。
 当然ながら、通りの流れを引き込むことだけを考えていると、毎日のチラシ配布からは抜け出せません。この町の場合、近隣の住宅街からもレストランや料理屋を目的としたお客様が集客できます。この層は、繰り返し来店する固定客になる可能性が、かなりあります。通常の半径1キロ圏内のお客様が、日常生活の中での必要性で来店するのと比較すれば、少々来店動機は特別でなければなりませんが、その分だけ価格は高くても特徴が作り出せれば来店します。
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